プラスチックや陶器にはない、ナチュラルな雰囲気が魅力の素焼き鉢。
ホームセンターなどでも手頃な価格で購入でき、最近はペイントをして楽しむ方も増えていますよね。
おしゃれな模様の入ったテラコッタ鉢なども素焼き鉢の一種で、写真に撮ってもそれだけでどこかおしゃれな雰囲気になります。
そんな人気の素焼き鉢ですが、カビに困っている方も多いのではないでしょうか?
では、素焼き鉢にカビが生えてしまったらどうすれば良いのでしょうか?
今回はカビが生えてしまった時の対処法と予防法について、カビが生えやすい理由と一緒に解説します!
素焼き鉢がカビやすい理由とは?
他の鉢はこんなにカビは生えないのにと、そう感じる方も多いのではないでしょうか。
プラスチックや陶器、ブリキなどの鉢と同じように扱っていても、素焼き鉢はすぐにカビが生えてしまいますよね。
なぜ他の鉢に比べて素焼き鉢には多くカビが生えるのでしょうか?
実は素焼き鉢には、ほかの素材にはない特徴があるためカビが生えやすいとされています。
それはどんな特徴なのでしょうか?
素焼き鉢が持つ多孔質の特性
まず多孔質と呼ばれる素材であること。
素焼き鉢は釉薬を塗らないまま粘土を低温で焼き上げたもので、無数の小さな穴が開いています。
これが多孔質という性質です。
このためカビが小さな穴に入り込んで、繁殖しやすくなってしまいます。
素焼き鉢の養分と水分の豊富さ
上に述べたように素焼き鉢は粘土を焼き上げたものなので、養分が豊富に含まれています。
また、通気性の良いイメージの素焼き鉢ですが、鉢そのものが水を吸収する性質があります。
もちろんこれは植物の生育にはメリットになりますが、水分・養分が大好きなカビにとっても住みやすい環境と言えます。
こういった特徴から、素焼き鉢にとってカビは避けられないと言えます。
素焼き鉢のカビを取り除く方法
素焼き鉢のカビ除去方法
一度生えたカビは根本まで取り除いてしまわなければ、またすぐに生えてきてしまいます。
漂白剤などを使ってしっかり取り除きましょう。
用意するものは!
○漂白剤と消毒用のエタノール(消毒用エタノールだけでも可)
○新聞紙、アルミホイルなど植物を保護するもの
○たわしやキッチンペーパーなどカビを取り除くもの
乾燥が大事なので、天気の良い日に作業をするのがお勧めです。
素焼き鉢を外でカビ取りする
カビ取り作業は室外で行いましょう!
目に見えないカビの胞子が飛散して、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
できるだけ風通しの良い場所で作業を行いましょう。
植物への影響を防ぐための保護措置
作業を始める前に、植物が化学薬品にさらされないように、新聞紙やアルミホイルを使ってしっかりと覆います。
この段階は、植物を保護し、薬剤が直接触れるのを防ぐために不可欠です。
準備が完了したら、カビ取りの次のステップに進みます。
カビ取りの実施手順
カビを効果的に取り除くために、まずは漂白剤を鉢に直接吹きかけ、数分間放置します。
この作用時間が重要で、カビの根絶に効果を発揮します。
漂白剤の作用後、エタノールをスプレーしてさらに消毒します。
消毒用エタノールだけを使用する方法もあり、その場合も同様に鉢に直接スプレーしましょう。
カビの除去作業
カビの根絶には、たわしやキッチンペーパーを使って、慎重にカビをこすり取ります。
水で洗い流すのは避けてください!
これは、水がカビの成長を促進する新たな環境を提供するためです。
代わりに、物理的にカビを取り除くことで、再発を防ぎます。
カビ除去後の乾燥プロセス
カビを取り除いた後は、新聞紙や保護材を取り、風通しの良い場所で鉢をしっかりと乾燥させます。
完全な乾燥は、見えないカビの胞子が残らないようにするために非常に重要です。
乾燥させることで、カビの再発を効果的に防ぐことができます。
カビが頑固で取れない場合の対処法
カビ取り作業をしても、なかなかカビが取れない場合があります。
これは、カルキや他の堆積物が原因であることが多いです。
また、鉢からカルシウムが染み出す「白華現象」が見られることもありますが、これは健康に影響を及ぼすことは少ないため、特に心配する必要はありません。
素焼き鉢のカビを予防するためのアプローチ
素焼き鉢にカビが繁殖しやすい理由を理解した上で、次に考えるべきは予防策です。
繰り返しのカビ取り作業を避けるために、日頃からの予防が重要です。
カビの発生を抑えることで、植物も健康に育ちます。
カビ発生の好条件とその対策
適切な対策を講じることでカビの成長を大幅に減らすことが可能です。
温度管理と湿度の調整
カビは温度が20~30℃の環境下で最も活発に成長します。
室内で素焼き鉢を使用する場合は、温度を適切に管理することが重要です。
また、湿度が80%以上になるとカビの繁殖が促進されるため、湿度のコントロールもカビ予防には欠かせません。
環境の清潔維持と栄養源の管理
カビは土や肥料のほか、ホコリや食べかすなどの有機物からも栄養を得ます。
そのため、鉢の周りを清潔に保つことが重要です。
定期的な掃除と適切な肥料の管理により、カビの栄養源を限定し、その繁殖を抑えることができます。
具体的なカビ予防策
カビを予防するためには、過剰な水やりを避け、鉢の湿度を適切に管理することが大切です。
また、鉢の置き場所を見直し、風通しの良い場所に配置することも効果的です。
これにより、湿気がたまるのを防ぎ、カビの生育環境を制限します。
素焼き鉢のカビ予防の具体的な方法
カビの予防は、日々の管理から始まります。
過剰な水やりを避ける
過剰な水やりは鉢内の湿度を高め、カビの繁殖につながります。
土の表面が乾いたことを確認してから水を与えるようにしましょう。
また、水受け皿に水が残らないように気をつけることも、湿度を管理する上で重要です。
良好な通気性の確保
カビを防ぐためには、鉢の周囲の空気の流れを良くすることが有効です。
室内で育てる場合は、サーキュレーターや換気扇を利用して、空気を循環させましょう。
これにより、湿気が溜まりにくくなり、カビの繁殖を抑制できます。
環境整備と清掃の徹底
鉢の周辺を常に清潔に保つことで、カビの養分となるホコリや汚れを減らします。
鉢が直接カーテンなどに触れないように配置するのも大切です。
これにより、カビが他の物に移るのを防ぎ、全体の環境衛生を向上させます。
適切な肥料の管理
肥料は植物の成長に必要ですが、与えすぎはカビの発生を促すことがあります。
特に冬場の休眠期には、植物の活動が少ないため、肥料の必要量も減ります。
肥料を与える際は、植物の状態と季節を考慮して適量を心がけましょう。
水苔の使用とその利点
水苔を使用することは、水はけと通気性を改善し、カビの予防に役立ちます。
特に水もちと乾燥のバランスが取れているため、水やりの頻度がわかりやすくなり、過剰な水分を避けることができ、植物の健康維持にも効果的です。
素焼き鉢以外の選択肢の検討
カビを予防する究極の方法として、素焼き鉢以外の材質の鉢を使用することが考えられます。
プラスチックや陶器、磁器などの鉢は、素焼き鉢に比べてカビが生えにくい特性を持っています。
これにより、長期的なカビ予防と植物の健康が実現可能です。
まとめ
カビの予防と対処方法を実践することで、素焼き鉢の美しさと植物の健康を保つことができます。
適切な水やり、良好な通気性の確保、環境の清掃、適切な肥料の管理、そして必要に応じて素焼き鉢以外の材質を選ぶことが効果的です。
これらの対策を継続的に行うことが、カビの問題を解決する鍵となります。