着物を保管する際にムシューダを使うことは一般的ですが、その生地への影響や臭いが心配な方も多いでしょう。
この記事では、ムシューダの使用が着物に与える影響とその他の着物保管方法について詳しく解説します
ムシューダで着物を安全に保管！使用上のポイント
ムシューダの使用が着物の保管に適しているか、多くの方が疑問に思うのは当然です。
安心してください、ムシューダの主成分であるピレスロイド系の防虫剤は、無臭で着物の変色も防ぐ為、着物の保管に適しています。
特に、和服専用のシートタイプは、均等に防虫効果を提供し、大切な着物を効果的に守ります。
使用する際のポイントは以下の通りです。
○効果が1年間持続することを示す付属のシールをシートに貼り、交換時期を忘れないようにしましょう。
○和服をたとう紙で包んだ状態で、その間にシートを挟みます。
直接着物に触れさせることで、ムシューダの成分が直接布地に作用し、虫の侵入を防ぎます。
○和服用ムシューダシートは、金糸や銀糸、ラメなどの特殊な装飾が施された着物にも安心して使用できる為、装飾が豊富な着物にも適しています。
○使用する際は、着物一着につき一枚のシートを用いるのが理想的です。
これにより、着物は適切に保護され、長期間にわたりその美しさを保つことができます。
着物用防虫剤の特徴と選び方
防虫剤には様々なタイプがあり、特にクローゼットや引き出し用、スーツ用、和服用など、用途に応じて異なる製品が存在します。
着物用防虫剤の選び方には、特に注意が必要です。
ピレスロイド系のシートタイプは、着物にとって最適な選択肢で、このタイプは無臭で、生地を傷めることなく虫から守ってくれます。
他の一般的な防虫剤成分とその特性は以下の通りです。
パラジクロールベンゾール系
効果が強く速効性がありますが、揮発性が高いため効果が短期間で消失しやすいです。
ナフタリン
効果が長持ちしますが、発効まで時間がかかり、独特の強い匂いが特徴です。
しょうのう
和服によく使われ、ナフタリンより効果的ですが、強い匂いが残る可能性があります。
着物用の防虫剤は、使用する場所や着物の種類によって、最も効果的な薬剤を選び、適切な配合量で調整されています。
特に和服には、パラジクロールベンゾール系やナフタリンの使用は避け、無臭で生地に優しいピレスロイド系を選ぶことが推奨されます。
また、和服の保管には、香りが特徴的なしょうのうを使用する方もいますが、無臭の防虫剤を使用することで、着物に匂いがつくのを防ぎ、シミやアレルギー反応のリスクも低減できます。
無臭の着物用防虫剤が推奨される理由
無臭の着物用防虫剤が推奨される主な理由は、着物に香りが残ることを避ける為です。
着物に香りが付着すると、それがなかなか消えずに着用時に不快感を与える可能性がありますし、しょうのうなどの匂いが強い防虫剤は、着物にシミをつけたり、一部の人にアレルギー反応を引き起こすことがあります。
さらに、無臭の防虫剤を使用することで以下の利点があります
○着物が自然な状態で保管され、香りによる影響を受けにくい。
○アレルギー体質の人でも安心して使用できる。
○着物の生地や色に影響を与えるリスクが低減される。
一方で、防虫剤を全く使用しないという選択もあります。
その主な理由は以下の通りです。
○絹などの天然素材は比較的虫食いのリスクが低い。
○防虫剤よりも、カビ対策としての除湿がより重要視される。
○一部の防虫剤成分が着物の生地や色を劣化させる可能性がある。
特に、ウールやカシミアなどの動物性繊維の着物では、虫食いのリスクが高い為、これらの素材には防虫剤の使用を検討し、絹の着物は防虫剤を省略することも可能です。
着物保管に不可欠なたとう紙の役割と選び方
たとう紙は、着物を保管する際に必須のアイテムです。
この特殊な包装紙は、カビやホコリから着物を守り、湿気を吸収してシワの発生を防ぎます。
特に和紙製のたとう紙は、その優れた通気性と吸湿性で、着物の保存状態を最適に保つのに役立ちます。
たとう紙の選び方としては、以下の点を考慮することが重要です。
和紙か洋紙か
和紙は洋紙に比べて保存性が高く推奨されますが、コストが高い場合があるため予算に応じて選びましょう。
紙の質感と厚み
薄手の紙よりも厚手の紙が、より良い保護を提供し、湿気や汚れから着物を守ります。
たとう紙は長期間使うと劣化し、湿気を吸収しすぎて茶色く変色することがあります。
使用しているたとう紙に変色やシミが見られた場合は、新しい紙に交換することが必要で、たとう紙の交換は、約3年を目安に行うと良いでしょう。
「ただ包んでおくだけ」という管理は、たとう紙が劣化すると効果が損なわれる為、定期的なチェックと交換が重要であり、これにより、着物は長期間にわたって美しい状態を保つことができます。
着物用たとう紙の入手方法とその選択肢
着物のたとう紙は、適切な保存方法の一環として重要な役割を果たします。
たとう紙は以下の場所で購入可能です
呉服店
着物を購入した店舗や専門の呉服店で高品質なたとう紙が手に入ります。
専門店であれば、着物の材質や種類に最適なたとう紙を選ぶアドバイスも受けられます。
通販サイト
Amazonや楽天などの大手オンラインショップでは、さまざまな種類のたとう紙が販売されており、自宅にいながら簡単に注文できます。
着物クリーニング店
着物専門のクリーニング店では、たとう紙の販売も行っていることが多く、着物のお手入れと一緒に新しいたとう紙を購入できます。
コストを重視する場合
100円ショップのダイソーなどで販売されている「着物収納袋」も良い選択肢です。
これらはたとう紙の代わりとして利用可能で、簡易的ながらも着物をホコリや汚れから守る助けとなります。
大切な着物を長期にわたって保護する為には、たとう紙を適切に使用し、定期的に新しいものに交換することが推奨されます。
このような小さな手間が、着物を長く美しく保つ秘訣です。
